著者は、シロアリ駆除から始まって、現在は住宅の総合的なメンテナンスを請け負うようになった会社の代表です。だからでしょうか、本の内容の半分くらいはシロアリと、家を腐らせる腐朽菌の話、という印象です。
家を長持ちさせるためには、基礎、土台を適切な形で構築し、きっちりメンテナンスを行うようにしましょう、そして、本格的なメンテナンスはプロに任せましょう、といったことが述べられています。
当然、それはそうだと思いますが、巻末には自社の連絡先が載っていたり、結局宣伝本なの? と思わせて終わります。もちろん、それがよくない、ということではありません。全く。
単なる宣伝本に止まらないのは、シロアリなど腐りが出やすい場所、理由、そして予防、住み手ができるメンテナンスのことなどを、「床下のプロ」として、細かく伝えてくれるからです。
リフォームをする際、普段は目に見えないけれど、とても大切な部分を見落とさずに済みます。
正直、リフォームを総合的に扱った本を一冊読んでいれば、この本を読む必要は、ないような気がします。
床下のメンテナンスの仕方も「きちんと掃除をしましょう」とか、「濡れたらちゃんと拭きましょう」など、一見当たり前のようなことしか書かれていません。しかし、実際に、それらに気づいて、全て行えるかというと、なかなかできないのではないでしょうか。
そういう当たり前のことに目を向けて、持続して行うことが、床下、つまり基礎と土台を守り、ひいては家を長生きさせる秘訣だと、この本は教えてくれます。
でも、基本的には、ちゃんとプロに定期点検してもらいましょう、ということです。もっともです。