《リフォームの本》いい家は「細部」で決まる(永江朗+大和ハウス工業総合技術研究所 著)

いい家は「細部」で決まる(永江朗+大和ハウス工業総合技術研究所 著/新潮社/2012)

神は細部に宿る、という言葉があります。原典はよくわからないらしいのですが、その言葉を美術、建築関係の御方達が好んで使っていたということです。「良い仕事は細部まで行き届いているものだ」という意味かと思っていたのですが、「素晴らしい仕事は一見して解りにくい」という意味合いなのだそうです。う〜ん、言葉の表と裏から見ただけで、意味は似たようなモンですよね?


いい家は『細部』で決まる」という本は、家の構造、設備、デザインなどへの、こだわり抜いた仕事っぷりを見せつける本なのかな、と思って手に取ったのですが、読んでみると雑学・蘊蓄ものでした。

この本も、リフォームとは関係ないです。でも、住宅建築についての知識を得ることは、大きく捉えれば、リフォームにも役立つこと…と、言えるかもしれません。なので、おおらかな気持ちで《リフォームの本》としてみました。ええ、こじつけです。


「蛇口はなぜ『へび』なのか」「ステンレスの『ステン』とは?」「卯建(うだつ)が『あがらない』の意味するところは?」など、建築の素材や部品、家の部分などについて、歴史や謂れなどを教えてくれます。ひとつひとつ良く調べたなあ、と感心します。普段見慣れた物の、意外な側面を知ることができて、どれも面白いです。「コンセントは和製英語」「戦中は鉄筋コンクリートではなく、竹筋コンクリートが作られた」「金属製の雨樋は、廃材利用から始まった」「日本で初めてシャッターを付けたのは、日本銀行本店」「あらゆる建築部材の中で、いちばん優先されるのはトイレの排水管」などなど。

いちばん最初の項にある、敷居は「結界」であるという考え方に、すごく納得しました。どういうことかというと…そこは買って読んでくださいネ! となるのでしょうが、なんとなくウィキペディアにも載っていそうなのがこわいです。