《リフォームの本》家を建てる前に読む 住まいの仕組み事典(間宮良行 著)

家を建てる前に読む 住まいの仕組み事典(間宮良行 著/西東社/2013)

リフォームの為の本ではありませんが、こういうタイトルの本は、リフォームを目指す人にとっても役に立つはず、と思い手に取りました。
結果「間取りの本」という印象が大きいです。表紙の「心地よい家 暮らしやすい間取り」というキャッチコピーの通りです。

どうすれば住みごごちの良い家を作ることができるのか、様々な状況を想定して間取りの作り方を解説してくれます。家族構成や、住み手の個性のことまで考えられていて、とても丁寧な作りです。それぞれ間取りのカラー図面と、住宅の写真とで理解を深めることができます。
LDK、寝室、子供部屋、和室、風呂、トイレ、収納など、家のすべての場所について、多くのプランを示してくれます。まさに夢のマイホーム。素晴らしい住宅が頭の中で出来上がっていきます。

しかし、多くの人が知りたいコストのことには全く触れられません。お金の情報はナマ過ぎて、この本の雰囲気に合わないということでしょうか。
予算のことをあまり気にせずに済む方は、この本を楽しめると思いますが、お金が気になる方は、例えば『「家づくりにかかるお金」のすべてがわかる本』など、一種冷酷な本も合わせて読まれた方がいいかもしれません。

間取りづくりを堪能した後、家の構造、内装、外壁、基礎、設備、地盤のことなどが解説されます。こちらも細かく、どこにどんなものを作ればいいのか、丁寧に解説されています。
こうやってキッチリしたものを示されると、具体的に家を作る意欲というか、その気になってきます。でも、章を進むごとに内容が地味になっていくのは、何とかならないものでしょうか? 冒頭ツカミはOKなんですけどね。

家づくりをデザイナーさんに全てお任せするのではなく、自分の思いをちゃんと反映させたいと考えている人にとって、この本は、具体的な間取りの事例が多く載っているので、役に立ちそうです。
それぞれの思いにあてはまる事例が、もしくは思いに近い事例が、この中にはありそうです。でも、繰り返しますが、予算には注意です。